フェンダーローズ マーク1 ステージモデル 修理 FENDER Rhodes Mark 1 Stage Model Maintenances 2022.11.07

フェンダーローズ マーク1 ステージモデル 修理 2022.11.07

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2022.11.07ご購入頂いたフェンダーローズピアノ ステージモデルのメンテナンスの準備を始めました。このFenderロゴいりのRhodes pianoは台数が少なく、とても人気の高いモデルです。ただ、楽器としては製造から50年以上経っていますから、各所に劣化が出ています。それをどこまで新品に近い状態まで戻せるかが腕の見せ所となります。

取りあえず音出ししてみて、ピックアップは全て生きているようです。Rhodes pianoの修理の中でダントツに多いのがピックアップの交換ですが、初期のモデルでは割合に少ないのですが、MarkⅡになると俄然多くなります。73KEYの内50個飛んでいたなんて言うのも良くある話です。特に湿度変化の大きい日本ではピックアップの断線は付きものと考えておいた方が良いでしょう。

次にチェックしてみて、先ず感じるのはタッチのもたつきです。初期のRhodes pianoにはありがちな事ですが、このタッチ感は何とかしなければなりません。その為、この作業が大半を占めるのではないかと想像されます。

経年変化やパーツのポジションの狂い、汚れや木材の反りによる動作抵抗等、チェックしなければならないポイントがてんこ盛りです。何とか年内に仕上げたいと思いますが、本体のパーツの状態や他の作業との兼ね合いもあり、何ともまだ不透明です。

先ずは大まかに下調整をしてみて、その後各パーツ毎に調整、修理、メンテナンス作業を行って行きます。年末に向かう時期、時間がどの位取れるかがポイントになりそうです。ただ、あまり焦って作業をするとろくなことが無いので、一つ一つの作業をしっかりと、きっちりとやって行く必要が有ります。この工程が楽しみではあるのですが、時間を忘れて没頭してしまう事が有り、これがコスト割れの原因になります。国内にRhodes pianoの修理をする会社やお店がいくつも有りましたが、ここ何年かで、撤退して次第に少なくなっているのは、こんなことが原因なのではないかと想像します。

2022.12.06 12月に入ってから時間のある時にメンテナンス作業を開始していますが、5日~7日まで予定していたスケジュールが延期になったので、一気に時間を取って作業を行いました。まず鍵盤タッチの改善の為に行ったのは、本体のフロントピンとバランスピンの調整です。それぞれのピンのざらつきやサビ等を落として抵抗が起こらないように磨き上げました。以前のオーナーさんが修理に出していた技術者の方が、鍵盤調整をしていたようですが、紙パンチングをパンチングクロスの上にセットしたままの状態でした。急ぎの作業の時は仕方ないでしょうが、やはりパンチングクロスをもとの状態に戻す必要が有ります。そこで、バランスピンの調整の時に全ての紙パンチングを戻しました。

次に鍵盤のスロットル調整をします。これは鍵盤側のスロットルにサビの付着や経年変化によるホールの収縮等を元に戻す作業です。73KEYのフロント、バランス両方の穴コロシを行いますので146個の穴コロシとなります。通常アコースティックピアノでは割と一般的に行うメンテナンス作業ですが、エレピではこの作業をする技術者の方は少ないようです。ただ、あまりコロシすぎるとバカ穴になってしまうので、ここら辺は経験が必要な作業となります。

鍵盤を本体に戻す時には、鍵盤ブロックとハンマーの当たる部分の抵抗を抑える為ハンマー側を清掃した後、シリコンで拭き取りします。ここまでの作業で約8時間経過しました。

一度鍵盤を本体に戻して、鍵盤の高さ調整をします。割とラフに調整されていたようで、鍵盤の高さはバラバラでした。

これだけバラつきが有ったら、随分と弾きにくかったのではないかと思います。ただ、鍵盤をこんな風に調整していたのは、何か他に原因が有るのかも知れません。一度高さをそろえてから、タッチや発音の状況を確認する必要が有ります。

鍵盤の高さは鍵盤のストロークとハンマーの動きに直結しますので、取りあえず、おおよそまで調整して鍵盤の動きを見る事にします。

黒鍵もかなりガタついていたので、高さを合わせました。何故こんな調整になっていたのかは、これからのメンテナンス作業で明らかになるかも知れません。

2022.12.27メンテナンス及び調整作業が完了しました。前回の投稿から、時間が取れる時に鍵盤、ハンマー、トーンジェネレーターの調整をしました。他の作業の合間を縫って作業していた為、作業に没頭してしまい写真を撮り忘れていました。なかなか難しい調整でしたが、何とかクリヤー出来ました。

ペダルを取り付けてみると、ペダルの踏み心地に違和感があったので、ペダルをチェックしてみました。すると、ペダルの踏み側のクッションフェルトが虫食いでへたっていました。

こちらは新しいクッションフェルトに交換しました。

その後ペダル全体を確認した所、ペダルロットホールのプラスチックガイドも欠品していたので、新品のガイドを取り付けました。

ここは特に不具合が起こる所ではないのですが、何となくカッコ悪いので純正パーツを取り付けました。

また、その後ペダルの裏側を見てみると、高さ調整のゴムクッションが2個欠品していました。

こちらも純正パーツを取り付けました。

全ての作業は完了しましたが、お客様は年明けの1月15日過ぎにお越し頂く事になりました。

2023年2月4日、お客様にお見え頂き試弾してもらいました。やはりタッチ感がしっくりこない様子です。確かに、Fenderロゴ入りの初期のRhodes Pianoは他のモデルに比べてタッチ感が違います。

そこで、ダメ元で2㎜厚のパンチングクロスを入れて鍵盤高を2㎜上げてみる事にしました。通常はあまりやる事の無い作業ですが、やはり納得行く完成度を目指したいと言う欲求が出て来ました。

全体を2㎜上げてみると、ややタッチ感が改善した感が有りますが、まだ納得の行く仕上がりでは有りません。これから、ハープの調整や再度高さ調整を行って行きます。

PART2に続きます

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